2018.03.01冷え・むくみ

お風呂とコンディショニング! 寒い冬の習慣、体を温める


寒い冬、皆さんどんなふうに体を温めていますか? 今回は「ほっこり」系のコラムです。

大学生から25歳ごろまでのアスリート生活ではシャワー中心

お風呂の習慣、皆さんはあるでしょうか。そして、どんな入浴方法を楽しんでいますか? 私は、高校生ごろまではお風呂に浸(つ)かっていましたが、大学生になったころから、社会人選手となった25歳ごろまではあまりお風呂に浸かる習慣がなくなっていました。シャワーが中心。髪の毛や体を洗い、お風呂場で「用事を済ませる」と、さっさと退室。当時はアスリート生活真っ只(ただ)中でした。

コーチである父から、「疲れを取るためにも、お風呂に浸かったほうがいいぞ」と言われ、私が「練習の疲れが取れない」とこぼすたびに、「湯にしっかり浸かるように」としばしば言われていたのですが……。当時は、お風呂の楽しみ方が分からず、お湯に浸かってジッとしているのが我慢ならなかったようです。面倒に思い、習慣になりませんでした。そのため、自分に適した温度や入浴時間が分かりませんでした。

実業団選手として活動しているとき、仲間のアスリートから「長風呂をして、汗を出すようにしている!」という話を聞きました。その選手の競技は跳躍種目でしたが、少しでも体を軽くして跳びやすい感覚を継続したい、ということでウェートコントロールの一部として行っていたようです。もちろん、お風呂に入れば痩せられる、ということではないとおもいます。

26歳ごろから15~30分の入浴を習慣に

食事への配慮や、有酸素運動をしながら、自分の競技の上達に向けて頑張っていました。お風呂はその一部、コンディショニング(自己調整)の位置づけだったのだと思います。毎日30~60分、かなりの時間浸かっているようでしたが、よく聞くと半身浴で、のぼせすぎないように工夫をしていました。音楽を聴きながら、本を読みながら、何だか楽しそうでした。「私もいつか、やってみようかな……」なんて思いながら、その後、26歳ごろからようやく習慣的に15~30分の入浴をするようになります。2004年、アテネ・オリンピックに出場する前年だったと思います。

20~30分ほど入浴、いまやお風呂は充実した空間

湯に浸かることは、実は「なんとなく」スタートしたのですが、「始めたからにはやり抜こう」というアスリート魂(根性?)のおかげで継続できました。「なにか体調面の改善など、手ごたえを感じるまでは」と思いながらの継続でした。友人を真似(まね)して、音楽を聴いたり、本を読んだり、楽しみながら入浴を続けました。それがきっかけで、引退後の現在も20~30分ほど入浴する習慣を持っています。ちなみに、このコラムは今、お風呂の中で書いていたりします……(笑)。猫ちゃんが遊びに来て蓋の上に乗ったりして、楽しい入浴です(写真)。いまや、お風呂は私にとって、とても充実した大切な空間です。

お風呂とコンディショニング! 寒い冬の習慣、体を温める

お風呂の習慣…理由の一つは「冷え性」

「お風呂の習慣」を身に付けようと思ったのは、私なりにいろいろな理由がありましたが、その一つは「冷え性」ということでした。冷えてこわばった体を、その時々でお風呂で温め、和らげたいと思っていました。円盤投げやハンマー投げは、指先を繊細に使って投げ出す競技でもあります。春先や秋に入る季節は手足の末端が冷え切って、投げるのに苦労しました。もちろん、冬場のトレーニングは屋外で投げ込みますので、全身冷え切って、手足の指先などの感覚がなくなることが多かったです。

アスリート時代は、起床した直後、体を起こす前に体温を測り、記録を付けたこともあります。基礎体温の変化は、女性にとっては体調を把握するバロメーターになることもあるかもしれません。数か月続けてみたところ、私の体温は低い時で35.4度、かなり練習を追い込み、筋肉痛や疲労度が高い時には、36.7~36.8度ぐらいありました。1度以上体温が変動すると気だるさを感じ、コンディションは不調であると認識していました。検温を続けた結果、私の調子のよい体温は、36.2~36.3度ぐらいだと感じていました。体温が低い時は、当然温めると気持ちよくなり、「ほっこり」します。風邪などの症状ではない限りですが、たとえば、疲れで体温が少し高めになっているときでも、いつも通りの入浴を続けるようにしています。何となく調子が悪い時でも、少し緩和され、スッキリすると感じられます。

のぼせないように長く湯船に浸かる

色々な入浴方法を実践している人がきっとたくさんいらっしゃると思います。自分に合った入浴方法を続けていたり、体調や気分なども含めて、その時々のコンディションによって入浴の仕方、お風呂の入り方を変えたりすることもあるかと思います。

私は、26歳ぐらいから少し長めにお風呂に浸(つ)かる習慣ができました。15~30分程度で、これも平均的なものです。コンディションに合わせたり、もちろん、時間がない時などは「ゆっくり」「のんびり」というわけにはいかない場合もあったりします。でも、すこしでも「ほっこり」したいと思う時には3~5分でもいいので、少し湯の温度を上げてお風呂に浸かり、体を温めるようにすることもあります。

入浴の温度は? どこまで浸かるか? みなさんは、自分に合った目安はありますか? 私は、風呂のふたを完全に外しません。半分ふたをして湯の温度が下がりにくいようにしています。そして、肩から上を湯から出した状態で浸かることが多いです。寒くなれば、肩を沈めて少し温めたりもします。湯の温度は、冬は43度ぐらい、夏は41度ぐらいに設定します。30分ほど入ると、温度が下がってきますから、追い焚(だ)きなども途中でします。

そして、のぼせないように、風呂場の扉は開けたまま、通気性をよくしています。こうすると、長く湯船に浸かれるので、自分に一番合った入浴の方法として現在も続けています。

アロマオイルをかけたバスソルトをお風呂に入れると香りがいい

お風呂を出た後は、芯まで温まった感覚で充実した気持ちになります。その他には、以前に、少しだけ勉強をしたことがあるアロマオイルをつかってバスソルトも作り、適宜使っています。

お風呂とコンディショニング! 寒い冬の習慣、体を温める

岩塩など、ごつごつしたお塩を瓶にいれ、その上から好みのアロマオイル(精油)を数滴ふりかけ、ふたをして瓶を振ってよくなじませます。オイルは揮発するので、出来立てをお風呂に入れると香りがとてもいいです

そして、冷え性だった私がもう一つしていたことがあります。とくに、現役選手としては最後の方、2011年ごろですが、熱ショックたんぱく質(細胞が熱などのストレス条件下にさらされた際に、発現率が上昇して細胞を保護するたんぱく質)のことをたまたま学術文献などで見る機会がありました。

医学的に効果が証明されているわけではないようですが、その後、一般的に実践できる内容が書かれた書籍なども読んで、入浴方法を試したことがあります。

体温を38度台まで上げて一定時間、保つ方法等を、主に実践していました。自分のコンディションを良好にするために、こうしたことに興味を持って、色々と試してみました。生理学的データを集めながら行ったわけではないので、あくまでも個人的に体感したものにすぎませんが、「こんな方法もあるのか!」「気持ちがいいな!」といった調子で、楽しみながら試していました。

体に熱を加えるこの方法はお風呂に入る直前と直後の体温を測りますので、入浴前後の体温の変化をしばらく測り続けたこともあります。コンディションによって変化はありましたが、風呂の温度、体のどの部分まで浸かるか、何分間入るかなど、入浴の条件を決めて比較すると変化が分かりやすいかもしれません。

寒い季節では、体の冷えには注意したいですね。食生活、睡眠、そうしたことはもちろん体調に関わることだと思いますが、「体を温める」ことも、きっと心や体のコンディションを「調律」してくれるのではないかと思います。みなさんも、ぜひご自身のコンディショニングとして、楽しい入浴方法を見つけて続けてみてくださいね!

筆者:室伏由佳 / むろふし ゆか

室伏 由佳 / むろふし ゆか

1977年、静岡県生まれ・愛知県出身。株式会社attainment代表取締役。2004年アテネオリンピック女子ハンマー投げ日本代表。円盤投げ、ハンマー投げ2種目の日本記録保持者(2017年9月現在)。12年9月に引退。アスリート時代には慢性的な腰痛症などスポーツ障害や婦人科疾患などの疾病と向き合う。現在、上武大学客員教授、朝日大学客員准教授など、複数の大学において非常勤講師を務める。スポーツと医学のつながり、モチベーション、健康等をテーマに講義や講演活動を行っている。ウェブサイトはコチラ

(ヨミドクター 2017年1月25日、2月8日)

記事提供:ヨミドクター(読売新聞)

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