2017.08.04食生活

タレを工夫して美味しく減塩を!ソース類は「かけるより、つけて食べる」


在宅訪問管理栄養士からのアドバイス~減塩編

日本人の高血圧患者数は約1000万人に上るそうです。(1)
 これは医療機関にかかっている「患者数」なので、治療を受けていない予備軍の人も含めると、さらに数千万人上乗せされます。食塩の過剰摂取と高血圧は切っても切れない関係であることは、読者の皆さんも耳にタコができるほど聞いているかと思います。今日のレシピは、つい取りすぎてしまう塩分を、少しでも抑えるためのテクニックを盛り込みました。

   

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「日本食」は本当にヘルシー?

10年以上前、仕事で1 週間ほど米国のフィラデルフィアを訪れたことがあります。私はカタコトの英語しか話せないのですが、あるアメリカ人男性とアジア料理のお店へ食事に行きました。その男性はかなり太っていて、レストランの椅子から半分以上お尻がはみ出ています。男性は、「日本食ってヘルシーでいいよね」と話しかけてきたので、「いいえ。日本食はヘルシーじゃありませんよ」と返すと、「脂肪も少ないし、エネルギー量も少ないし、ヘルシーだよ」と言います。そこで「だって日本食はたくさんの塩を使っていますよ。寿司(すし)を食べる時、たっぷりSoy Sauce(しょうゆ)をつけるでしょ?」と答えると、納得してくれました。

「日本食」は世界の人々からヘルシーだと思われていますが、多くの塩を料理に使っています。病院給食の献立を立てる時、朝から夕まで3食和食にすると、たちまち塩分量が制限値を超えてしまいます。私はかつて長期療養型の病院に勤務していましたが、食事制限の必要がない患者さんの献立は、1日の塩分量が8~10グラム程度になる日もありました。通常、塩分制限が必要な場合は1日6グラム未満に抑えますから、「塩分量10グラム」は、病院で提供する給食としては多い方です。

患者さんが平均2週間程度で退院する急性期病院とは違い、長期療養型病院の患者さんは、数か月から年単位で入院しています。ほとんどの患者さんは味覚の低下がみられる高齢者ですから、あまりおいしくない病院給食が原因で食欲が低下し、入院中に低栄養状態になってしまったら本末転倒です。心臓疾患や腎機能低下などの患者さんを除いて、あまり厳しい塩分制限はしていませんでした。

そこで、1日1食は洋食にします。トマトソースやホワイトソースの力を借りるのです。酸味(酢)やコク(油脂)を生かした減塩テクニックのひとつです。さらに野菜のお浸しは、酢とオリーブオイルを使ったドレッシングでサラダにします。これだけで、塩分量を1~2グラム程度抑えることができます。

塩分制限、日常生活で楽しく実践が理想

「塩分制限」は、1日だけ取り組んでもあまり意味がありません。「減塩しても美味(おい)しい食事」を楽しみながら、日常生活の中に自然に取り入れられることが理想です。そして徐々に自分の舌を「薄味」に慣れさせていくのです。我が家の子どもたちは、人気のスナック菓子も「しょっぱい!」と言って食べません。夫も「コンビニ弁当がしょっぱくて食べられない」と言います。私のせいで(おかげで?)すっかり塩分に敏感になってしまったようです。その代わり、「おしゃぶり昆布」がおやつです。

とんかつなどのフライものに、ついたっぷりとソースをかけて食べていませんか? その食べ方では、塩分の取りすぎになりがちです。今日のレシピでは「わさびマヨソース」を少しずつつけながら食べる、「ささみのスティックフライ」をご紹介します。

<ささみのスティックフライ>
[材料](2人分)
とりささみ 5~6本
酒 小さじ2
小麦粉 適量
溶き卵 適量
パン粉(ビニール袋に入れ、袋の外側から指でつぶし細かく砕く) 適量
揚げ油 適量

【わさびマヨソース】
マヨネーズ 大さじ2
減塩しょうゆ  小さじ1/4(必ずしも減塩でなくてもOK)
すりおろしホースラディッシュ(またはわさび)1~2センチ分
しょうゆにホースラディッシュを溶いてからマヨネーズと合わせる。

[作り方]
<1>ささみは筋を取り除き、縦に半分に切る。
<2>ささみに酒をふりかけ臭みをとる。
<3><2>に小麦粉をまぶし、溶き卵をまとわせる。
<4>細かく砕いたパン粉を薄くまぶす(こうすることで吸油量を減らすことができる)。
<5>160度に熱した油で3~4分揚げる。
<6>ソースの材料を混ぜ合わせ、揚げたてのささみをつけて食べる。

ささみに小麦粉をまぶし、溶き卵をまとわせてからパン粉をつける

カップに盛り付けてみました

わさびマヨソースのほか、オーロラソースやウスターソースなどいくつかのソースで楽しんでもOK

(1)一般社団法人日本生活習慣病予防協会ホームページ
http://www.seikatsusyukanbyo.com/statistics/disease/hypertension/

筆者:塩野崎 淳子 / しおのざき・じゅんこ

塩野崎 淳子 / しおのざき・じゅんこ

「訪問栄養サポートセンター仙台(むらた日帰り外科手術WOCクリニック内)」在宅訪問管理栄養士 1978年、大阪府生まれ。2001年、女子栄養大学栄養学部卒。栄養士・管理栄養士・介護支援専門員。長期療養型病院勤務を経て、2010年、訪問看護ステーションの介護支援専門員(ケアマネジャー)として在宅療養者の支援を行う。現在は在宅訪問管理栄養士として活動。

記事提供:ヨミドクター(読売新聞)

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