花粉症とアレルギーの関係 よい食べ物と気をつけたい食べ物


花粉症とアレルギーの関係 よい食べ物と気をつけたい食べ物

今や日本で4人に1人と推定されている“スギ花粉症”。子どもの患者も急増し、幅広い年代で年々増加しています。そんな花粉症の症状をラクにする食べ物はあるのでしょうか?また、逆に花粉症の人が気をつけたい食べ物とは?現在明らかになってきている、花粉症と食生活、食べ物の関係をドクターに伺ってみましょう。

規則正しい食生活が、アレルギー疾患対策になるワケ

花粉症は、体内の免疫システムが花粉に対して過剰に反応して起こる、アレルギー疾患です。
免疫が花粉に過剰に反応して“有害”とみなすと、花粉が体内に侵入するたびに“抗体”がつくられます。抗体が増え続け一定量を超えると、花粉を排出するために、粘膜を刺激するヒスタミンなどが放出されます。その結果鼻や目、のどが反応して、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ、のどの違和感といった症状が起こるのです。
花粉症対策でまず大切なのは、花粉を寄せつけないこと。そして「食事」も大切なポイントです。
親が花粉症の場合、子どもも花粉症になる傾向がありますが、それは遺伝はもちろんですが、食習慣にも関係すると考えられています。食卓に花粉症などのアレルギー疾患によいといわれる物が上がらない家庭や食生活が不規則な子どもは、親と同様花粉症になりやすい、というわけです。食習慣が体に与える影響が、いかに大きいかが分かりますね。

花粉症対策におすすめ!発酵食品

近年、花粉症によい栄養素が明らかになっています。それは、腸内環境を整える作用のある食物繊維や乳酸菌、発酵食品です。実際に、乳酸菌を日常的に摂ることで花粉症の症状が軽くなった、という報告もあります。
「腸」は、食べ物を消化・吸収する器官であると同時に、体の中で最も大きな免疫器官でもあります。免疫機能が乱れると花粉症などのアレルギー疾患を引き起こしやすくなりますから、腸内環境を整えて免疫機能をアップすることは花粉症対策につながります。
腸内環境を整えるコツは、食物繊維を摂って排便を促すと共に、発酵食品や漬け物などから様々な種類の菌を取り入れること。ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌は生きたまま腸に留まることはできないので、毎日摂るのがポイントです。ヨーグルトは、オリゴ糖と一緒に摂るのがおすすめ。腸内環境を整える効果がアップします!

腸内環境を整える栄養素と食品

乳酸菌

ヨーグルト、漬け物など

発酵食品

納豆、ヨーグルトなど

食物繊維

海草類、根菜類など

食生活を見直しつつも、花粉症の症状がつらい場合は、食べ物による対策と共に抗ヒスタミン薬の内服薬などを上手に活用して症状を和らげることも大切です。近年では、病院で処方される薬と同じ成分の市販薬も増えてきています。市販薬を1週間使用しても症状が緩和されない場合は、受診をおすすめします。病院での治療法には、処方薬やレーザー治療の他、舌下免疫療法などがあるので、医師に相談しましょう。

花粉症の人が気をつけたい「果物アレルギー」

花粉症対策になる食べ物がある一方で、気を付けたい食べ物があるのをご存じでしょうか。「花粉症になってから、果物を食べると口の中がイガイガするようになった」という経験はありませんか?
実は花粉症の人は、特定の果物や野菜のアレルギーを起こしやすいことが分かっています。これは「花粉・食物アレルギー症候群」と呼ばれ、花粉症患者の10人に1人が発症するともいわれています。アレルギーを起こす花粉の原因物質(アレルゲン)と、特定の果物や野菜に含まれるアレルゲンの構造が似ていることが原因です。
花粉・食物アレルギー症候群には大きく2つ、全身に症状が現われる「即時型」と、唇や口、のどなどに症状が現われる「口腔アレルギー」があります。一般的に多くは軽い症状で済みますが、全身に症状が現れる場合は、まれに急激に血圧が低下し命に関わる「アナフィラキシーショック」になるケースもあります。

花粉・食物アレルギー症候群

即時型

果物や野菜に含まれるアレルゲンが胃や十二指腸で分解されず、小腸から吸収され血液にのって全身を巡ることで、じんましんや咳などの全身症状が現われる。アレルゲンを含む果物を避ける必要がある。

口腔アレルギー

口の中の粘膜に果物や野菜の汁が触れることで、食べた直後から、唇や口の中、のどに、腫れやかゆみ、ただれなどが現れる。口腔アレルギーを起こす果物や野菜のアレルゲンは熱に弱いため、加熱すれば食べられる物もある。
それでは、どんな花粉症の人が、どんな果物や野菜に気をつければよいのか、気になりますよね。
代表的なものが、ハンノキやシラカバの花粉症です。これらの花粉症患者のうち20%から40%が、りんごやサクランボ、もも、などのバラ科の果物にアレルギー反応を起こすといわれています。特にハンノキの花粉飛散は、1月から5月とスギ花粉と重なるため見過ごされがちです。
果物や野菜を食べた後に口周りに腫れやかゆみが起こる場合は、医療機関で検査を受けて原因をはっきりさせておくとよいでしょう。血液検査と皮膚テストで調べることができます。

アレルゲンの構造が花粉と似ている果物・野菜

・カバノキ科のシラカバ・ハンノキ・オオバヤシャブシ(1月~6月に飛散)…リンゴ、サクランボ、もも、洋なし、セロリ、人参、じゃがいも、大豆、ヘーゼルナッツなど
・ヒノキ科のスギ(2月~5月に飛散)…トマト
・イネ科のカモガヤ(4月~10月に飛散)…メロン、キウイフルーツ、すいか、オレンジなど
・キク科のヨモギ(7月~11月に飛散)…マンゴー、セロリ、人参など
・キク科のブタクサ(7月~11月に飛散)…メロン、すいか、バナナ、きゅうりなど


花粉症と食べ物には、意外な関連があるのですね。花粉症の人は、特定の果物や野菜によるアレルギーが起こりやすいことをぜひ知っておいてください。そして、腸内環境を整える食べ物を意識して、予防・改善を目指していきましょう!

医学博士 / 大久保公裕

日本医科大学耳鼻咽喉科准教授を経て、2010年より現職。花粉症治療の第一人者として知られる。
著書に『ササッとわかる最新「花粉症」治療法』(講談社)、『花粉症は治せる!舌下免疫療法がわかる本』(日本経済新聞出版社)など多数。
医学博士、日本医科大学大学院医学研究科 教授、日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定指導医、日本アレルギー学会常務理事

引用:「+healthcare」より

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