2017.04.17生活習慣

歯周病と関節リウマチの意外な「犯人」 どちらも同じ「細菌」が働いている可能性


歯周病と関節リウマチの意外な「犯人」 どちらも同じ「細菌」が働いている可能性

「歯周病」と「関節リウマチ」。全く違う病気のように見えますが、実は、ずいぶん昔から、医学的にはこの2つの病気には何らかの関連があると言われてきました。ご存じでしたか?

なぜ、関連があるのか…その理由はずっとわからないままだったのですが、最近発表された研究論文により、「ある細菌」によってその原因を説明できる可能性のあることが報告されました。

この発見から、関節リウマチの原因も明らかにできるかもしれないとのこと。「もし今回の説が正しければ、関節リウマチに対する考え方や治療法は、これまでとは全く異なるものになるでしょう」と、この研究を報告した研究者はコメントしています。

歯周病と関節リウマチの意外な「犯人」 どちらも同じ「細菌」が働いている可能性

関節リウマチと歯周病の長~い関係

関節リウマチとは、免疫反応が過剰に起こることによって生じる慢性的な関節炎のこと。関節以外のさまざまな部位や身体システムに影響することもあります。100年以上も前から、関節リウマチ患者では高い割合で歯周病もみられることが知られており、関節リウマチと歯周病には何か共通する原因があるのではないかと疑われていました。

さらに近年の研究で、関節リウマチ患者では歯の数が少ないほど、リウマチの症状が重い傾向があることが確認されています。(歯の数が少ないのは、おそらく歯周病のためだと思われます。)さらに、歯周病患者では、そうでない人に比べて関節リウマチになる確率が2倍にもなるという研究結果も報告されているのです。

しかし、どちらの病気にも何らかの細菌が関わっているという説が注目されるようになってきましたが、それがどのような関わり方なのかは明らかにされていませんでした。

そこで、今回の研究では、関節リウマチ患者の歯肉からとったサンプル約200個について、「A. actinomycetemcomitans」と呼ばれる、歯周病に関係の深い菌がいるかどうかを調べました。

その結果、関節リウマチ患者ではほぼ半数の人に、この菌に感染している証拠がみつかりました。これに対し、歯周病も関節リウマチもない人たちでは、この菌に感染している人はわずか11%でした。

この結果から、歯周病と関節リウマチは、いずれも細菌によって引き起こされている可能性が高いと考えられます。今回の研究では、この細菌が歯周病を引き起こした後に、一種の副作用として関節の腫れをもたらすのではないかという仮説が提唱されています。しかし、あるいは逆に、歯周病が関節リウマチの副作用である可能性も考えられるとのことです。

関節リウマチの治療、一歩前進?

どちらが先で、どちらが後なのか―。歯周病と関節リウマチの因果関係が明らかになるのは、まだ先のことになりそうです。

しかし、いずれにしても「細菌が関わっているのかもしれない」とわかったことは、関節リウマチの予防や治療に対して、これから役に立つかもしれないとのこと。たとえば関節リウマチ患者の家族など、関節リウマチになる危険性は高いけれども症状はまだ出ていないという方にとっては、細菌をターゲットにした予防や治療は効果的なものとなるかもしれません。つまり、関節リウマチの症状が出る前に早期発見し、治療を始められるようになる可能性があるのです。

今回わかったことから、関節リウマチの治療に抗生物質を使える可能性が出てきたと、研究論文では報告されています。

(HealthDay News 2016年12月15日)

https://consumer.healthday.com/bone-and-joint-information-4/rheumatoid-arthritis-news-43/common-denominator-detected-between-rheumatoid-arthritis-gum-disease-717780.html

Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.

参考情報:論文アブストラクト
〈http://stm.sciencemag.org/content/8/369/369ra176〉

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