2017.07.03メディカル

適度なビールでアルツハイマー病を予防? ホップ由来の苦み成分が鍵


適度なビールでアルツハイマー病を予防?ホップ由来の苦み成分が鍵

ビール好きの方に朗報です。ビールに含まれるホップ由来の苦み成分「イソα酸」がアルツハイマー病の予防に働く可能性のあることが、日本の研究で分かりました。

研究を行ったのは東京大学などの共同研究グループ。認知症患者の脳内にはアルツハイマー病の原因となる老廃物「アミロイドβ」が溜まりますが、適度にイソα酸を摂取させたマウスではこのアミロイドβの蓄積と炎症が抑えられ、認知機能が改善したそうです。

急増する認知症患者・・・毎日の生活の中でできる予防策とは?

超高齢社会を迎えた日本では、認知症患者の急増が社会的にも大きな問題となっていますが、残念ながら根本的な治療法は発見されていません。そこで毎日の生活の中でできる認知症予防が注目されています。たとえば、赤ワインに含まれるポリフェノールを摂取すると認知症予防に効果がある可能性が報告されています。

ホップは古来より薬用植物として利用されてきましたが、今回、研究グループが着目したのは、このホップに含まれているビールの苦み成分である「イソα酸」。アルツハイマー病モデルとして用いられている遺伝子改変マウスを用いて実験を行いました。

適度なビールでアルツハイマー病を予防?ホップ由来の苦み成分が鍵

イソα酸を摂取したマウス脳内で起こった変化とは・・・?

研究グループはアルツハイマー病モデルマウスにイソα酸を含んだ餌を3カ月間摂取させ、摂取していないマウスと脳内の変化を比べました。その結果、イソα酸を含んだ餌を摂取したマウスでは、脳内で老廃物や異物を除去する働きを担う細胞であるミクログリアの機能が活性化し、アミロイドβなどの老廃物の沈着や炎症が抑えられることが分かりました。イソα酸を摂取することで、この細胞の脳内をきれいにする「清掃細胞」が活性化されるわけです。

また、イソα酸を摂取すると、脳の海馬(記憶や学習を司る部位)で神経細胞同士のつながりの程度が大きく増加して、神経細胞の間の情報のやりとりが活発化し、認知機能が改善することも明らかになりました。

適量のビールや赤ワインは認知症の予防につながるかもしれません。また、アルコールが入っていないビールテイスト飲料にも苦み成分は含まれていますので、こうした飲み物を摂るのも良いでしょう。けれども、くれぐれも飲み過ぎには注意してください。

(HealthDay News 2017年3月21日)

Copyright (c) 2017 HealthDay. All rights reserved.

参考情報:
論文アブストラクト
〈http://www.jbc.org/content/early/2017/01/13/jbc.M116.763813.abstract〉
大学プレスリリース
〈http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2016/20170303_2.html〉

このコラムを読んだ方におすすめのアプリ

手軽にちょこっと相談

日常の中でふと気になった健康の悩みを相談して、実際の管理栄養士からきめ細やかなアドバイスが届くアプリです。

  • ダウンロードする Androidの方はこちら