眠りが浅くなってきた人へ、原因と改善方法をお伝えします


眠ろうと思っても中々寝付けない、夜中に何度も目が覚めてしまう、朝起きても疲れが全然とれない、なんだか眠りが浅い気がする…そんな方は睡眠の質に問題があるのかもしれません。ここでは睡眠の質の改善方法をお伝えします。

眠りが浅くなってきた人へ、原因と改善方法をお伝えします

眠りが浅いと感じる原因は

普段忙しくて睡眠時間が十分取れないからこそ集中して眠りたいのに、寝つきが悪い、寝てもすぐ起きる、という状態が続くと、疲れもストレスも溜まってしまうものです。
改善しようと思うものの、原因がわからなくて困っている方も多いのではないでしょうか。
実は、不眠の原因は、人によってそれぞれで、一つの原因からではなく、複数の原因が重なっている場合もあります。ここでは、眠りが浅いと感じる原因として考えられるものをいくつかご紹介します。

加齢によるもの

人間の身体は、日光を浴びることで「日中である」と認識し、身体を覚醒させるセロトニンが分泌されます。そして、太陽が沈んで暗くなることで「夜である」と認識し、身体を休ませるメラトニンが分泌されます。
眠りのホルモンと言われるメラトニンがしっかりと分泌されるためには、セロトニンが十分に分泌される必要があります。
しかし、年齢を重ねて仕事を引退したり、身体が弱くなったりすると、現役時代よりも外出が減り、日光を浴びる機会が少なくなるため、メラトニンの分泌量が減って眠りが浅くなるのです。
また、日中活動するのと同様に、眠るのにも力が必要です。
高齢になってエネルギーが少なくなることで、眠りにくくなるとも言われています。

仕事などによるストレス

残業が続いている、対人関係に悩みがある、などのストレスを感じている状況が続くと、自律神経のバランスが崩れ、寝つきが悪くなる原因になります。

不規則な生活

不規則な生活が続くと、眠りが浅くなります。
それは、人間の睡眠リズムは、体内時計によって調整されているためです。
本来、太陽の光を浴びることで体は活動モードに切り替わり、太陽が沈んで暗くなることで休息モードに切り替わります。しかし、眠るのは朝方、起きるのは日中というように生活が不規則になると、体内時計は狂い、夜に身体を休めることができなくなってしまうのです。
体内時計に従って生活をしないと、徐々に疲労感は蓄積し、それがストレスの原因になります。
そのストレスによって不眠はさらに深刻になり、どんどん快適な睡眠は失われていくという悪循環に陥ってしまいます。

お酒を飲むタイミング

お酒を飲むと寝つきが良くなると思い、寝酒を飲む方も多いのではないでしょうか。
アルコールには一時的に体温を下げる作用があるため、飲み始めてすぐは眠くなります。
しかし、アルコールを摂取してから3時間程度経つと、アルコールは覚醒作用を持つ物質に変わります。そのため、寝酒をしてもすぐに目が覚めたり、眠りに付けなくなったりするのです。もし、朝まで眠れたとしても、それは質のよい睡眠とは言えません。
疲れやストレスを感じているときには、ついつい多くのアルコールを摂取してしまいがちです。
お酒は適量であれば身体に悪いものではありませんが、質の良い睡眠を得るためにも、飲むタイミングを考えるのがポイントです。飲みたい時には寝る3時間前までにし、長時間の飲酒は避けましょう。

口呼吸になっている

口呼吸は鼻呼吸よりも身体への酸素供給量が少なくなります。
息をしてさえいればどちらでも良いと思うかもしれませんが、睡眠中に血中酸素濃度が低下してしまうと、覚醒反応を引き起こし、結果途中で目が覚めたり、深い睡眠を得られなかったりします。
とくに、普段からいびきをかいている方は要注意です。いびきは口呼吸が原因であることに加え、睡眠呼吸障害という病気の可能性もあります。
また、睡眠時の口呼吸が続くと、眠りが浅くなるだけでなく、歯周病や口腔疾患に繋がる可能性もあるので注意しましょう。

睡眠障害の可能性

睡眠時間が足りない状況なのであれば増やすことで睡眠の悩みを解決できる場合もありますが、中には十分に睡眠時間を取っているのに「熟睡感がない」「朝起きるのが辛い」という方もいます。
この状態になっている場合は、熟眠障害などの病気にかかっているのかもしれません。
熟眠障害とは、不眠症の一種で、深いノンレム睡眠が得られていないために起こる病気です。
ノンレム睡眠が得られなければ、脳も身体も休まらず、いくら寝ても翌日疲労感が残ってしまいます。
熟眠障害に限らず、一部の睡眠障害は、しっかりと睡眠時間をとっていることから、なかなか周りからの理解を得られず、それがストレスになってさらに不眠を悪化させることもあります。

質の良い睡眠をとるための対策

眠りが浅くなる原因がわかれば対策を講じることができます。
ここでは、眠りの悩みを解決するための対策をご紹介します。

寝具を改善する

自分に合った寝具は、質の良い睡眠をとるために一番重要なものです。
枕の高さが合っていない、マットレスが柔らかすぎて寝返りが打ちにくい、など、寝具に関して気になることはありませんか?
もし気になることがあるならば、まずは寝具を変えましょう。
寝具専門店で相談をすると、体型に合った寝具選びをアドバイスしてもらうことができます。
オーダーメイドで寝具を作れば、より良い睡眠を得ることが可能です。
また、体型は年齢とともに変化するため、数年ごとに寝具の見直しを行なうのが理想的でしょう。

体内時計のリズムを意識する

人間の持っている体内時計では午後10時から翌朝8時の間が睡眠時間帯であり、人は前半3時間のうちに深い眠りに入って脳や身体を休め、朝に近づくにつれて徐々に目覚めへと向かっていきます。
このような体内時計に合わせた睡眠をとると、ホルモンの分泌も規則正しく調整されるようになるのです。
睡眠時間を十分に確保できたとしても、体内時計と合わない時間に眠ると、いつまでも疲労感やストレスに悩まされることになり、生活習慣病や精神疾患のリスクも上がってしまいます。
また、最適な睡眠時間は平均7時間といわれていますが、ひとそれぞれに最適な睡眠時間は異なり、無理に7時間を確保する必要はありません。
大切なのは、睡眠の質を上げること、つまり身体のリズムに合った時間帯に眠ることです。
睡眠のリズムを作るためには、1日のうち、どの時間帯で寝ていたかを毎日記録する睡眠日誌を付けると良いでしょう。睡眠日誌用のアプリもあるので、気軽に始めることができます。

体温を調節する

人間の身体は、体温の落差に眠気を感じます。
このメカニズムを睡眠に活用してみましょう。
体温が上がる代表的な日常行動は「食事」「運動」「入浴」なので、眠る1~2時間前までにこれらを実践することが重要です。そして後は身体を動かすことをできるだけ避ければ、上がった体温は徐々に下がり、やがて眠気が訪れます。夜寒いからといって厚着したり、エアコンで温め過ぎたりするのは体温を上げてしまうことになるのでかえってよくありません。

仮眠をとる

日中、特に午後2時前後に仮眠を適度にとると、疲労感はなくなり、頭はスッキリします。これは、体内時計の働きにより、この付近の時間帯も眠気を感じるようになっているからです。体内時計に従ったこの仮眠によって、リズムが維持され、夜の質の高い睡眠につながります。
ただし、仮眠時間は15分~20分程度とすることが大切です。
特に、30分以上眠ってしまうと、深い睡眠に入ってしまい、起きた時に体が重くなり、眠気が残ってしまいます。
15分で起きるためには、仮眠をとる前にカフェインを摂取しておくのがおすすめです。カフェインは、アデノシンという疲労物質の吸収を抑える作用があるため、摂取すると身体が覚醒状態になるのですが、カフェインが血中に取り込まれるまでには15~20分程度かかります。
そのため、仮眠をとる前にカフェインを摂取しておくと、ちょうど起きたときにカフェインの作用があらわれ、スッキリと目覚めることができるようになります。

夕方以降の仮眠は避ける

難しい話は避けますが、たとえば6時間熟睡したいのであれば、就寝前6時間は連続して起きている必要があります。つまり、言ってみれば起きて蓄積させた眠りのパワーの分だけ、熟睡できるということです。
そうすると、あまり夕方以降の遅い時間に仮眠をとると、夜に熟睡できないということがわかります。

間接照明にする

寝る1~2時間前には間接照明に変えるのがおすすめです。
それは、このあたりの時間からメラトニンの分泌が始まるからです。
メラトニンは強い光を浴びると分泌が抑えられる特徴があるため、寝る前まで明るい照明の下でテレビを見たり、パソコンやスマホを使ったりしてしまうと、スムーズに入眠できなくなってしまいます。
質の良い睡眠をとるためには、メラトニンの分泌に合わせて間接照明に変え、テレビやパソコン、スマホを使わないようにすることです。どうしても必要な場合は、照度を下げるなどして、あまり刺激にならないように工夫してください。

サプリメント・漢方を使う

なかなか良い睡眠を得られないときには、サプリメントや漢方を取り入れてみるのも一つの方法です。
サプリメントなら、アミノ酸の一種であるグリシンがおすすめです。
グリシンは血管を広げて表面体温を上げ、体内の熱を放出して深部体温を下げる働きがあります。
人の身体も睡眠に入ろうとするときには体温を下げるため、グリシンを補ってあげることでスムーズな入眠が期待できるのです。

また、漢方であれば、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)や柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)、三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)が不眠症には効果的です。
ただし、漢方に関しては、個人の体質によって合うものが異なるため、漢方専門医に相談したほうが良いでしょう。

朝食をとる

朝食には日の光とともに身体を目覚めさせる働きがあるため、毎日摂ることで体内時計を正常に整え、夜も眠りやすくなることが期待できます。
忙しくても、手軽なものでいいので、朝食はきちんと摂るようにしましょう。

それでも治らなければ病院へ

眠るための対策を行っても、不眠が改善しない場合には、病院へ行きましょう。
医学的に治療をしなければいけないほど睡眠障害が深刻になっている恐れがあります。
睡眠障害を扱っている病院ならどこでも良いですが、一番良いのは専門医がいる睡眠クリニックでしょう。
単に睡眠薬を処方するだけでなく、どのタイプの不眠症なのか、何が眠りの弊害になっているのかを詳しく検査し、症状に合わせて適切な治療が行われるので安心です。

眠ろうとしているのに眠れない状態が続くと、身体の疲労感だけでなく、精神にまで影響してきます。
そして、そのストレスから、どんどん不眠症は深刻になり、やがて日常生活や仕事にも支障が出てきます。
「眠れていない」と気づいているのであれば、今すぐ改善へと動くことが大切です。
眠りの悩みはなかなか周りに理解されにくいものですが、必ず改善することはできます。
あまり不安を感じ過ぎず、今できることから始めていきましょう。

日本睡眠学会会員 / 福井智広

1985年、東京出身。日本睡眠学会会員。
2009年より京都大学大学院にて睡眠文化の研究を始める。
また、2013年より、睡眠改善インストラクターとしても活動。
質の高い睡眠習慣と最新の研究に基づいた知識の普及を目指す。

引用:「+healthcare」より

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